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相続税申告に必要な書類➊

2020/10/10

◇相続税申告に必要な書類

 

 相続が発生しても、相続税を申告しなければならないとは限りません。亡くなった方が遺された相続財産が一定に満たなければ、相続税を払うどころか、相続税の申告すら必要ありません。ただし、さまざまな特例を使って節税した結果、相続税がかからなくなった場合には、「相続税0円」という内容の申告をしなければなりませんのでご注意ください。

 さて、そもそも相続は、人生でしばしば経験するようなものではありません。身内の不幸に出くわしたとき、慣れている人はほとんどいないと考えて差し支えないでしょう。たいていの方は、期限があることも、何をどこへいってすればよいのかもわかりません。これが普通だと思います。

 こういったことを踏まえて、ここでは相続が起こったときに、どんな書類を取得すればよいのか?まとめてみました。これをしっかり把握しておけば、あわてることもないでしょう。どうぞご参考になさってください。

 

 ただし、相続税の申告に必要となる書類は、その相続財産によって異なってきます。たとえば、預貯金があれば、その残高がいくらあるかだけではなく、お亡くなりになったときまでに受け取るべき利息も相続財産に入れて考えなければなりません。あるいは、亡くなる日以前の3年以内に被相続人から贈与を受けていたような場合には、これも考慮した相続税の申告書を作成しなければなりませんので、こういった事実があったかどうかを調べる必要もあります。

 このように、相続税の申告に当たって度尿な書類が必要となるのかは、それぞれの申告内容によって異なってきます。そこで、今回はどんな相続税の申告でも必要となる書類に着眼してみました。次回以降もケーススタディーとして、さまざまな相続または相続税の進行を取り上げて、必要となる書類をまとめていきたいと思います。

◇最低限必要となる書類

 まずはつぎの書類がそれぞれ2通ずつ必要となります。

①被相続人の「戸籍謄本」…亡くなった方が生まれてから亡くなられて時まで連続したもの

②被相続人の「住民票の除票」…亡くなった事実を証明する

③被相続人の「戸籍の附票」…戸籍上被相続人がなくなったことを証明する

④相続人全員分の「戸籍謄本」…法定相続人であることを証明する

⑤相続人全員分の「住民票」…住所を明らかにする

⑥相続人の「戸籍の附票」…住所履歴を明らかにする書類で、戸籍と住民票の事実関係の整合性を示す

⑦相続人全員分の「印鑑証明書」…遺産分割協議書には印鑑証明の添付が必要となりますが、その印鑑証明書の有効期間には特に定めがありません。また、税務署に提出する相続税の申告書への添付する印鑑証明書も特に有効期間はありませんが、預貯金の凍結解除などに用いる場合は各金融機関によって発行後「3か月以内のもの」というように、決められているようです。ご注意なさってください。

 ここで是非知っておいていただきたいことは、⑦の「印鑑証明書」以外の資料は、行政書士や税理士などの特定の士業の職権によって、代わりに取り寄せていただけるということです。遠方の方の戸籍や住民票といった書類も郵便でのやりとりで収集していただけます。

 また、法定相続人の人数を明らかにするには、どうしても出生から亡くなられた日までの連続した事実関係を明らかにしなければならないので、本籍が転々とされているような場合には、一つずつたどっていかなければならないので、とても手間暇がかかってしまうことがあります。

 さらに、これらの書類には概説のとおり、それぞれの意味があって、一定の事実を証明することに用いられます。「少しくらい………」といった自分都合の考え方は許されません。資料が不足するようなことがないようにきちんと対処していただく必要があります。

 それから、ここに示した書類は、どれも重要な書類になります。取扱いには十分な注意が求められることを忘れないようにご留意ください。

◇ケースバイケースによって必要書類も異なる

 前項でお示しした書類は、「どんな場合でもこれだけは必要」といった書類を列挙したに過ぎません。

 たとえば、被相続人(亡くなられた方)が、生前に遺言書を書いていたら、これはたいへん重要な書類となります。さらに、その遺言書が自筆証書遺言であれば、家庭裁判所で「検認」という手続きを経なければなりません。その遺言書が被相続人が書かれたものかどうか?筆跡鑑定をします。公正証書遺言であれば、この手続きは必要ありません。ただし、自筆遺言証書であっても、法務局の自筆遺言証書の「保管制度」を利用した場合にも、この「検認」の手続きを省略することができます。

 しかし、実際には遺言書を遺(のこ)されてみえる方はごく希(まれ)だと思います。遺された親族が「モメない」で暮らしていくためにも、たいへん有効な手立てだと考えられますが、残念なことにまだまだ普及促進の余地があるように思われます。

 そして、この遺言書がなく、遺された親族で遺産を分けるには、遺産分割協議で法定相続人全員が納得しなければなりません。一人でも反対する相続人がいれば、遺産分割を調(ととの)えることができなくなってしまいます。相続が「争族」になってしまいます。そして、訴訟をしてでもこの遺産分割をまとめて文書を作る必要があります。そうしなければ、遺産の中の預貯金や不動産を誰に引き継がせるのかを明らかにすることができないので、金融機関や法務局は誰に所有権を移せばよいのか判別できません。このように、遺産分割協議書がなければ、遺産の名義を書き換えることができず、相続をスムーズに行えなくなります。

 このように、遺言書があるのかないのかだけで、手続きが異なってきます。ケースバイケースで必要書類も変わってくるということは、こういうことから派生してくるわけです。

 次回以降も、ケーススタディーとして、こういう相続の場合には、どういった書類が求められるのかを、かみ砕(くだ)いてまとめていきたいと思います。どうぞよろしくお付き合いください。

◇たいへんな書類集めと専門家

 これまで縷々(るる)相続税の申告に際して必要となる書類を、相続の内容に合わせて大まかにまとめてみました。相続財産に何が含まれているか?これは亡くなられた方によってさまざまです。したがいまして、相続税の申告内容も被相続人によって千差万別となります。だから集める書類もいろいろな場合を想定しなければなりません。このように、相続税の申告に当たっては、その資料となる書類を集めるだけでもたいへんなことが少なくありません。しかし、この資料収集を、専門家が代行してくれることもあります。すべて代行というわけにはいきませんが、平日はお仕事で役所へ行けないような方は、専門家にご相談なさってみてください。きっと助けてくれると思います。

 また、書類を集めることはできても、相続税の申告をご自身でされるのは、たいへんな困難を伴い、間違えてしまう危険もあります。専門家(税理士)の力を借りることが得策かと存じます。また、前述のとおり、相続税の申告をすることと相続を済ませることとは異なります。たとえば、不動産の名義を被相続人(亡くなられた方)から相続人(その財産を引き継ぐ方)に変更する手続きは、専(もっぱ)ら司法書士の先生に、遺産分割協議書の作成は行政書士の先生等の専門家にお願いすれば、費用はかかってもとても安心で駆けずり回ることもなくせると思います。

 

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